2020.07.26 15:00たんじょうびのうた 出かけてくる、と一言だけの書き置きと、不在がばれるまでの時間稼ぎのちょっとした細工を残してレオナは王宮を出た。空気が冷たい。時計を見ると、ちょうど日付が変わったところだった。 夜が明けてからの予定はそこそこ重要なものだった。それをすっぽかしてこんな深夜にこそこそと抜け出す目的が、あまりにも子供じみていることがおかしかったが、気分は高揚し...